
BLWとは、赤ちゃんが自分で手に持って食べる自由なスタイルで、赤ちゃんの自主性や、食べる楽しさを育てる方法です。
でも、食物アレルギーの心配がある赤ちゃんの場合、
「アレルギーがある場合BLWはあきらめるべき?」
「アレルギーがない子と同じような進め方でいいの?」
など、色々気になることもありますよね。
この記事では、BLWをアレルギーに気をつけながら進める方法をご紹介します!
目次
1.BLW(赤ちゃん主導の離乳食)とは?

BLWについては、以下の記事でも紹介していますので、もっと詳しく知りたい方は是非見てみてください!
◎BLWの基本と考え方

BLWは従来の離乳食と違い、ママのペースで食べさせてあげるのではなく、赤ちゃん自身が食べたいものを選びます。
赤ちゃんは、手づかみやスプーンなどを自由に使って、自分の好きなように食べ進めていきます。
親は「与える人」ではなく「見守る人」としてサポートし、赤ちゃんの主体性を尊重します。
◎BLWのメリットとデメリット

メリット:
・手先が器用になる
・食べる楽しさが感じられる
・家族で一緒に食事を楽しめる
・赤ちゃんもママも自分のペースで食事ができる
・食事の用意が楽になる
デメリット:
・窒息の危険性がある
・食べこぼしの片づけが大変
・栄養不足になる可能性がある
・食事の時間が長くなる
BLWのメリットは赤ちゃんやママにとってプラスになることが多いですが、デメリットも少なからずあります。
デメリットもきちんと理解した上で実施することが大切です。
BLWのメリットとデメリットについては、以下の記事でも詳しく説明しています。
興味がある方は、是非読んでみてください♪
◎どんな家庭・赤ちゃんに向いている?

BLWは、
・家族が一緒に食卓を囲む時間を大切にしたい家庭
・食べることを“遊びながら学ぶ”時間にしたい家庭
に向いています。
また、赤ちゃんが「自分で食べたい」という意欲を見せ始めた時期(おおよそ生後6ヶ月頃)にスタートするのが目安です。
2.BLWを始める前に知っておきたい「食物アレルギー」

特に卵や乳製品、ナッツ類、小麦、魚介類など、アレルギーを起こしやすい食材は慎重になってしまいますよね。
赤ちゃんは消化器官がまだ発達途中のため、こういった食材に対してアレルギー反応を起こしてしまうことがあります。
私の知人がBLW経験者でしたが、何をどのタイミングで食べさせるかとても悩んだと言っていました。
特に家族に食物アレルギーを持っている人がいる場合は、どういう進め方がいいのか心配になりますよね。
BLWでも通常の離乳食でも、アレルギーの元となる食材の導入時期に気をつければ、アレルギー発症のリスクは変わりません。
安心してBLWを進めていけるように、始める前に食物アレルギーについて少し知識を付けてから行なうと安心ですよ。
◎アレルギーを起こしやすい代表的な食材リスト

1.卵
2.牛乳
3.小麦
4.エビ
5.カニ
6.落花生(ピーナッツ)
7.そば
8.くるみ
上記の食品は「アレルゲン」と呼ばれます。
初めて赤ちゃんに食べさせるときには、注意をしながら少量ずつ食べさせて様子を見てください。
◎アレルギーが起こるメカニズム

アレルギーとは、アレルギーの原因となる食材を食べたり、触れたり吸い込んだりすることで、体に良くない反応が起こることをいいます。
本来は体を守る免疫反応が、食べ物に対して過剰に反応してしまっているんです。
◎反応が出るタイミングと症状の種類(即時型/遅発型/遅延型)

アレルギー反応には、軽いものから重症なものまで、以下のような症状があります。
・咳
・呼吸がしにくい
・声がかすれる
・皮膚のかゆみや赤み、腫れ
・目のかゆみ
・意識がもうろうとする
・腹痛、嘔吐、下痢
・アナフィラキシーショック
①即時型
食物アレルギーで最も多いのが、食べてから20分以内に症状の出る、この即時型です。
食べてすぐに喉のかゆみやじんましんのようなアレルギー反応があらわれ、原因となる食材も比較的わかりやすいです。
②遅発型
食べてから6~8時間後とおよそ半日後に症状があらわれる、遅発型です。
アレルギーの原因となる食材を食べてから、次の食事や間食をはさんでいることが多く、何が原因か特定しにくくなります。
③遅延型
食べてから1~2日後に症状があらわれる、遅延型と呼ばれるタイプです。
アレルギーの原因となる食材を食べてから、かなりの時間が経過しているため、アレルゲンを特定するのが難しくなります。
食べてすぐ症状が出ないこともあるため、初めて食べる食材は少量ずつから試し、いつ、何時頃食べたかということを日記のようにして記録しておくと良いと思います。
◎医師に相談すべきサインと対応の流れ

・食後に顔色が悪くなる
・呼吸が苦しそう
・全身にじんましんが出る
・嘔吐が続く
このような症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診してください。
また、軽度の湿疹などが繰り返し出る場合も、食事記録を持参して小児科やアレルギー専門医に相談すると安心です。
特に急にアレルギー症状が進んだ場合、アナフィラキシーを疑いましょう。
「アナフィラキシーショック」は命に関わる重大なアレルギー反応です。
エピペンを持っている場合はすぐに使用しますが、そうでない場合はすぐに救急車を呼んでください。
アレルギー反応については以下の記事でも詳しくご紹介していますので、是非読んでみてください。
3.アレルギーリスクを減らすBLWの進め方

詳しい進め方を紹介していきます。
(1)新しい食材は「一度に一種類」から

一度に複数の種類を試してしまうと、もしアレルギー反応が出たときにどの食材が原因になったのかわからなくなってしまうからです。
新しい食材を試したら、その後3~5日間はほかの新しい食材を試すのはやめて、アレルギー反応が出ないかどうか確認します。
大丈夫なら次の食材にチャレンジしてみましょう。
BLWなら、最初はアボカドやバナナ、やわらかく茹でたにんじんなど、アレルギーの可能性が低い食材を、赤ちゃんが持ちやすい大きさに細長く切ってあげるといいですよ。
赤ちゃんが自分でつかんで食べる様子を見守りながら、少しずつ進めていきましょう。
(2)卵や乳製品は「加熱&少量」からスタート

アレルギーを起こしそうな食材は、心配しすぎるあまりつい避けてしまいたくなりますよね。
ですが、アレルギーリスクの高い食材を避けたり、食べる時期を遅らせたりすることはアレルギーの予防に効果がありません。
そのため、卵や牛乳などの食材は、生後6~12ヶ月の間に試していくことが推奨されています。
必ず加熱して&少量(ひとくち)から始めましょう。
アレルギーの原因としてもよく知られる卵は、加熱によりアレルギー成分が分解されて弱くなります。
中心までよく火を通してから食べさせるようにしましょう。
生卵はもちろん、半熟卵も避けてください。
BLWで卵を食べさせる場合は、細長く切るというのは難しいので、ひとかけらだけスプーンに乗せて置いておくというやり方がおすすめです。
そのほか、野菜や果物類も加熱により少し弱くなりますが、ほとんどの食材は加熱してもアレルギー成分は変わりません。
加熱すれば大丈夫、というわけではない点には注意しましょう。
↓↓↓離乳食初期のアレルギーに注意した食材選びについてはこちらのサイトがわかりやすく、おすすめです。
母子栄養協会/離乳食初期の食材選び!アレルギーに注意したはじめ方
https://boshieiyou.org/rinyusyoki-hajime-allergy/
(3)アレルギーのリスクが高い時期の進め方(生後6~12ヶ月)

生後6〜12ヶ月は、アレルギーの発症リスクが高い時期です。
この期間は焦らず、赤ちゃんの体調を最優先にしましょう。
家族で食事を楽しみながら、1日1〜2種類の新しい食材を試していく程度で十分です。
(4)心配なときにできる準備(エピペン・相談・記録の工夫)

家族にアレルギーを持っている人がいたり、赤ちゃんにアトピー性皮膚炎がある場合、アレルギーのリスクが高くなると言われています。
その場合、事前に準備をしておくことでいざという時に慌てずに済みます。
・エピペンの準備
医師の判断で重度のアレルギー反応が心配される場合、エピペンを処方してもらえることもあります。
・医師に相談する
離乳食を始める前に、小児科医やアレルギー専門医に相談しましょう。
アレルギー対策について適切なアドバイスをもらうことができます。
・記録をする
初めて食べる食材は、どれくらい、いつ、何時ごろ食べたかということを日記のようにして記録しておくと良いです。
うちの息子もいくつかの食物アレルギーを持っています。
初めてアレルギーがあることがわかったのが、1歳の時でした。
風邪を引いた時に足に軽いじんましんが出たのですが、小児科の先生のすすめで血液検査をしたところ、卵にアレルギーがあることが判明しました。
息子が卵を食べたのはなんと1日以上も前でした。
アレルギー反応は遅延型にあたりましたが、離乳食の記録を付けていたので心当たりのある食材がわかりました。
上の子のときからの習慣で付けていた離乳食日記ですが、この時初めて記録の大切さを思い知りました。
◎エピペンとは?
エピペンとは、重度のアレルギー反応が起きたときに自分で使う注射器のことです。
エピペンには「エピネフリン」という薬が入っており、これを太ももなどに注射すると、急速にアレルギー反応を抑える効果があります。
エピペンは、医師の処方が必要で、アナフィラキシーのリスクがあると診断された人に事前に処方されます。
4.【体験談】実際にBLWを取り入れたママのリアルストーリー

実際にBLWを取り入れた経験をもとに、大変だった点やよかった点をご紹介します!
初めての卵にドキドキ…不安をどう乗り越えたか

特に、卵を初めて食べさせる時はドキドキで、食べさせたあとも湿疹や腫れが起きないか、様子のおかしいところはないかなどしばらく見守っていました。
幸い娘にアレルギーはなく、少しずつ離乳食を進めていくうちにその不安も和らいでいきました。
手づかみ食べの練習で感じた成長と変化

最初は、柔らかく茹でたにんじんやブロッコリーをスティック状にし、自分でつかんで食べられるように工夫しました。
初めのうちは食べ物をつかむのが難しそうで、こぼす方が多かったのですが、何度も繰り返すうちに少しずつ上手になっていきました。
そんな娘も今は小学生になり、食べることが大好きな子になりました。
手づかみ食べを積極的に行なっていた効果なのか、小さいころから周りの大人が驚くほど手先が器用です!
5.月齢別おすすめ食材と進め方の目安

赤ちゃんの発達に合わせて食材の形状や種類を変えていくことが、BLWを安全に続けるポイントです。
では、順に月齢ごとの目安とおすすめの食材を紹介しますね!
生後6~8ヶ月:初期(やわらかく茹でた野菜・果物)

・野菜:やわらかく茹でたにんじん、じゃがいも、かぼちゃ、ブロッコリー
・果物:バナナ(熟したもの)、アボカド
・タンパク質:豆腐や白身魚(しっかり加熱)
赤ちゃんが握りやすい形にカットして、手でつかみやすいようにしてあげましょう。
この時期は「食べる練習」の段階なので、量は気にせず“食卓に参加する”感覚でOKです。
生後9~11ヶ月:中期(たんぱく質を少しずつ)

・野菜:きゅうり、トマト、じゃがいも(やわらかく茹でたもの)
・果物:りんご(加熱)、桃
・たんぱく質:豆腐、鶏肉(やわらかく煮たもの)、ツナ(湯通しして油分を減らす)、卵(加熱した黄身→全卵へ少しずつ移行)
・炭水化物:ごはん、マカロニ、パンケーキ、食パン、麺類(やわらかく茹でて短くカット)
自分でつかむ動きが上達してくる頃です。
栄養バランスを意識しつつ、いろいろな味や食感を体験させてあげましょう。
1歳以降:後期(家族と同じメニューへ移行)

・やわらかく煮た野菜入りスープ
・ごはんやおにぎり、やさしい味付けのハンバーグ
・小さめに切った果物
1歳を過ぎたら、家族の食事を薄味にして一緒に食べる練習を始めましょう。
「同じものを食べる楽しさ」を感じることが、食への興味をさらに広げます。
6.よくある質問(FAQ)
BLWを始めると、誰でも一度は悩みや疑問がでてきますよね。
よくある質問をまとめましたので参考にしてくださいね。
アレルギーがある子でもBLWはできる?

基本的にはできます。
ただし、医師の指導のもとで、アレルゲンを避けた食材を選ぶことが大前提です。
独断で行うのは絶対にやめましょう。
調理法を工夫すれば、ほとんどの食材を手づかみで楽しめます。
家族にアレルギーがある場合どうすれば?

家族に強いアレルギーがある場合、その食材は医師の判断を仰いでからにしましょう
「兄姉や親が卵アレルギーだから、完全に避ける」よりも、「安全に少量ずつ試す」ほうが推奨されるケースもあります。
食べこぼしや誤飲が心配なときの対策は?

誤飲が心配な場合は、
・食材はスティック状にカットし、喉に詰まりにくい形にする
・食事中は必ず大人がそばで見守る
・バウンサーやソファの上では食べさせない
を意識しましょう。
また、お食事エプロンを着ければ、こぼしても後片付けがラクになります。
7.まとめ|アレルギーに配慮したBLWで、安心して“食べる力”を育てよう

BLWは、赤ちゃんの自主性や食べる楽しさなどを育ててくれるとてもいい離乳食のやり方です。
ですが、BLWに限らず初めての離乳食の場合、「アレルギー反応が起こったらどうしよう…」と心配はつきものですよね。
アレルギーに配慮してBLWを進めるときのポイントは
・新しい食材は一種類ずつ
・アレルギーを起こしやすい食材はひとくちから
・卵などは芯まで火を通す
・心配な場合は事前に医師に相談を
などがあります。
初めてのお子さんの場合、神経質になりがちですが、対策をきちんと行なっていれば、そこまで不安になる必要はありません。
あまり過度に心配しすぎず、ママ自身も赤ちゃんとの食事時間を楽しんでBLWをやってみてくださいね。
BLWやアレルギーについてもう少し詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。

