赤ちゃんの離乳食で、最近注目されているのが「BLW(Baby-Led Weaning)」という離乳食のひとつの方法があります。
BLWとは、赤ちゃん自身が食べたいものを自分で選んで食べ、自然な食欲や自立心を育むとされる方法です。
子どもや親にとって、たくさんのメリットがある離乳食として注目されています。
しかし、
BLWを日本の保育園で実践しているところは多くありません。
「今までBLWの離乳食で進めてきてうちの子に合ってるから、できれば保育園でもそうしたい!」
「BLWの離乳食しか食べたことないから、保育園の離乳食が食べれるかな?」
仕事が始まるママは、そんな悩みがでてくると思います。
従来の離乳食とBLW離乳食の方法は異なるので、保育園生活とどう両立できるのか心配ですよね。
今回は、BLWと保育園生活を上手に組み合わせるためのポイントをご紹介します!
目次
BLW(Baby-Led Weaning)とは?
BLWとは、赤ちゃんが自分で食べ物を選び、好きなタイミングで食べたいものを食べることを基本とした離乳食の進め方です。
日本の従来の離乳食のように、すりつぶしたり、小さく切った食べ物を親が与えるのではなく、赤ちゃんが自分で「食べる」という行動を主体的に行うことが特徴です。
この方法は、赤ちゃんの食に対する自信や、自立心を養うとも言われています。
BLWのメリット
- ・食べ物への興味を引き出す: 自分で選んで食べることで、食事を楽しむ姿勢が育まれる。
- ・自立心を養う: 食事の時間が赤ちゃん自身のペースで進むため、自立心を育てる助けとなる。
保育園とBLWの両立は可能?
BLWは家庭で実践しやすい方法ですが、保育園との両立にはポイントがあります。
保育園では、多くの園児が一斉に食事をとるため、従来の離乳食スタイルに合わせていることが多いからです。
では、どうすれば保育園生活とBLWをうまく調和させることができるのでしょうか?
ここでは、保育園とBLWを両立する3つの方法をご紹介します♪
1. 保育園とのコミュニケーションを大切に
まず最も大切なのは、保育園の先生とのコミュニケーションです。
BLWについて園に説明し、赤ちゃんの食事スタイルについて相談することが大切です。
タイミングとしては、入園前の説明会や見学のときに園に相談するのがベストです。
その時に、BLW対応が可能か聞きましょう!
もし対応できなくても、どの程度ならBLWの方針に近づけてもらえるのかなど、気になることはすべて聞いちゃいましょう。
◎BLW対応が難しいのは、なぜ?
なぜ、BLW対応が難しいのでしょうか。
家庭では、従来の離乳食をつくるよりBLWの方が簡単です。
離乳食の子がみんなBLWなら、問題ないでしょう。
しかし、ほかの子は従来の離乳食です。
家庭でもそうですが、簡単なものでも品数が少ない方が楽ですよね♪
また、給食調理する人数も保育士のように、決められた人数があります。
保育園給食は、100人の園児なら給食は調理員2~3人で作ります。
その中で、アレルギー食・離乳食・宗教食などの対応をします。
通常の給食ではない食事の対応が多いと、もう大変なのです。
大変だからといって、前日からの仕込みや食材カットなどは給食調理の衛生面からしてはいけないルールとなっています。
限られた時間(約3時間)の中で、給食を安全に作らなければいけないのです。
このようなことから、
「園児が多い園よりも少ない園」
「公立よりは民間の保育園」
「小規模保育園や2歳児未満の保育園」
上記のような保育園の方が対応してくれる可能性が高いかもしれませんね。
そして、子ども一人ひとりに合わせた対応を行う保育園なら、BLWの基本方針を共有すれば、柔軟に対応してくれることが期待できます。
食育に力を入れている保育園や、なんとなく「保育園の雰囲気がいいな」と感じるところも大切ですね。
2. 家ではBLW、保育園では従来の離乳食スタイル
家庭ではBLWを取り入れ、保育園では従来の離乳食スタイルに合わせるという方法もあります。
親は心配かもしれませんが、赤ちゃんは環境の違いに順応する力があります。
家庭と保育園で食事スタイルが異なっても、意外と柔軟に対応できることが多いです。
赤ちゃんやママが、
「保育園では保育園の離乳食で♪」
となれるなら、それが1番オススメです。
保育園の先生と話をするのにも、時間をお互いにつくらなければいけませんし、自分の仕事復帰や家事手一杯なのに、考えることが増えると大変ですよね。
信頼できる保育園なら、割り切って離乳食はおまかせしちゃいましょう!
それでも、どうしても食事が変わることに抵抗が強い赤ちゃんもいます。
保育士も、「子どもたちに楽しく食べてもらいたい」という気持ちは保護者と一緒なので、一度相談してみてはいかがでしょうか。
赤ちゃんの個性を伝え、どう対応していくか保育園の先生たちと話し合えていくといいですね。
3. 食べ物の種類を共有する
保育園で提供される食事内容を確認してみましょう。
アレルギー対応食だと、事前に献立の確認を保護者にしてもらいます。
BLWも保育園によっては、保護者に事前に確認してもらうことになるかもしれません。
その場合は、保護者からも伝えやすいですよね。
もし、事前に献立確認などがない場合は、気になる食材・どのような形状で提供しているのかなど、こちらから質問しましょう。
また、家庭のBLWで進めている食材や、形状を伝えていくことも大切です。
保育園からも保護者からも、こまめに情報を共有するといいですね。
保育園での食事に含まれていない食材は、家庭で補うように工夫しましょう♪
BLWを保育園生活に取り入れる際のポイント
BLWを保育園でも実施してくれるところに入園が決まったら、次のステップに進みましょう。
BLWは、たくさんのメリットがあります。
しかし、同時にデメリットもあります。
BLWに詳しい保育園なら保育園側から配慮もあるかもしれませんが、詳しくない保育園がほとんどでしょう。
子どもや保育園の先生、自分たちのためにも、気をつけて欲しいことをしっかりと伝えていきましょう。
1. 窒息のリスク
画像引用元:HugKum
BLWでは赤ちゃんが大きめの食材を食べることもあるため、窒息のリスクに注意が必要です。
保育園で多くの子どもたちがいる中で、保育園の先生が十分に見守られる環境か、確認することが重要です。
もし、不安を感じたら無理にBLWを保育園で行わないことも考えていきましょう。
保育園での窒息の事故は、毎年のように起こってしまっています。
最近では、ミニトマトやぶどうなどは保育園での使用を避ける食材となりました。
保育園は、何よりも安心して預けられる安全な場所でなければいけませんよね。
子どもの発達や個性によって、食材の大きさも違ってくるのでよく保育園の先生と確認しましょう。
誤嚥に関する詳しい情報はこちらです。
↓ ↓
誤嚥や窒息予防については、以下の記事でも詳しく解説しています。
こちらもぜひ、参考にしてください♪
2. アレルギー対応
BLWでは、赤ちゃんがさまざまな食材にふれる機会が増えるため、アレルギー反応に注意が必要です。
もしアレルギーに対して不安がある場合は、保育園に伝えておきましょう。
また、病院に行くほどではないけれど、いつもなら出ない症状(発疹・下痢・嘔吐・かぶれなど)が出た場合は、必ず保育園に伝えてくださいね。
より気を付けてみてくれるはずですよ。
筆者の体験談
筆者は、保育園調理員として10年以上働いています。
現在働いている保育園は、小規模30名定員の2歳児未満の保育園です。
今までBLWの対応をして欲しいと言われたことはありませんが、宗教食の対応はあります。
日本人にはなじみのない食材制限なので、覚えるのがなかなか大変でした。
また、外国籍の子どもで宗教食ではないけれど「家庭で食べる食事と違いすぎて食べない」ことも。
話しを聞くだけではどのようなものを食べているか分からず、またあまりにも保育園で食べない。
最後の手段として、保護者にお弁当を持参してもらいました。
保育園給食との味のちがい、その子の好みなど把握することができ、何かは食べられるように献立を工夫したりなどの対応をしました。
これは小規模保育園だからこそ、給食室としてここまでの対応ができます。
しかし、公立の保育園や100人規模の保育園だと、一人ひとりに合わせた対応は難しいでしょう。
またBLW自体が、最近話題になってきており、まだあまり浸透していない保育園が多いと思います。
ただ「BLWやってます!」と謳っていなくとも、きちんと話しをきいてくれて思いをくみ取ってくれる保育園は絶対あります。
「誠実に対応してくれる保育園」、「自分たちに合っていて信頼できる保育園」と出会えることが何より大切だと思います。
安心して子どもを預けられる保育園と、出会えるといいですね♪
まとめ
BLWは、赤ちゃんの自立心や食への興味をはぐくむ素晴らしい離乳食の1つです。
しかし、BLWと保育園給食の両立するには、保育園との連携や柔軟な対応が必要となります。
保育園の先生と、コミュニケーションをとれる関係を築いていくことがとても大切になっていきます。
また、家庭では「BLW」・「保育園では従来の離乳食」などの方法も検討して、赤ちゃんが楽しく安全に食事をとれる環境を整えることを大切にしたいですね。
赤ちゃんやママパパにとって、保育園での生活が安全で楽しいものとなるといいですね♪
ライター haru
一男一女の子育て中ママライター。
保育園で給食調理をしている調理師。
たくさんの子どもたちの離乳食を作ってきました。
子どもの食事も十人十色。
みなさんの食の悩みが少しでも楽になり、食事って楽しい!と思える記事を書いていきたいです。