私は普段助産師として働いており、
日頃からお母さん達の相談にのることが多く
その中でも「離乳食」については、お母さん達がとても悩む相談の一つになっています。

「何からはじめればいいの?」
「はじめてみたけど、全然食べてくれない」
「私のやり方、これでいいの?」

など、はじめる前やはじめた後に
離乳食について不安を持つお母さん達へ、

離乳食アドバイザーであり助産師でもある筆者が、「離乳食のすすめ方」についてわかりやすく解説していきたいと思います。

離乳食がはじめてのお母さん達は、一体なにからはじめたらいいのか、わからない方も多くいらっしゃいます。

そんなお母さん達へ、

離乳食をはじめる前に知っておきたいことを以下に解説していきます。

⑴離乳食をはじめる時期

一般的に、お母さん達は「離乳食は生後5~6ヶ月から開始しましょう」と、3~4ヶ月健診で説明を受けたり、育児本などで教わると思います。


なぜ、5~6ヶ月からというと、
「生後6ヶ月から母乳やミルクだけでは赤ちゃんの成長に対し、エネルギーとなる栄養が少なくなる」
といわれているからです。

 ですが、6ヶ月からいきなり離乳食をはじめても、今まで母乳やミルクを飲んでいた赤ちゃんがすぐ食べ物を食べられるようになる、とは考えられませんよね?
 
なので、6ヶ月から離乳食を食べられるように、生後5~6ヶ月に離乳食を食べる練習をはじめます

お母さんも、赤ちゃんも、離乳食の練習をして慣れていく時期なのです。

⑵離乳食をスタートする目安

離乳食をスタートする時は、

「生後5ヶ月になったから」「まわりが始めたから」ではなく、それぞれの赤ちゃんの発達によって変わります。

発達が未熟だと、うまく飲みこめなかったり、むせたりする心配があります。

発達の目安を以下に紹介しますので、離乳食を始めるときの参考にしてください。

【発達の目安】

  • ・生後5~6ヶ月である
  • ・首のすわりがしっかりしていて、寝返りができる
  • ・支えなしで5秒以上座れる
  • ・スプーンなどを口に入れても舌で押し出すことがない
  • ・大人が食べる様子をみて、興味を持っている

この5つの目安をすべてクリアしたら、離乳食をスタートする準備ができています。
離乳食をはじめて大丈夫です!

離乳食の食べさせ方

授乳にも方法があるように、離乳食にも食べさせ方、があります。

赤ちゃんがスプーンや、食べ物を嫌がらないように食べさせ方を知っておきましょう。


スプーンの使い方

1.下唇にちょんと触れ、口を開けるのをまつ

2.口が開いたら、下唇の上に水平にスプーンを入れる

3.赤ちゃんが上唇を閉じたら水平にスプーンを引き出す


*ポイント

・口の奥に入れすぎると気持ち悪さが残るので、まずは浅く、ゆっくり飲みこむのを待ってあげます。

・赤ちゃんが飲み込むのを待ってから、次のスプーンを近づけます。

・赤ちゃんがお口の動きを学べるように、離乳食をあげる人も一緒にお口を動かしましょう。

離乳食をはじめる時に必要なもの

離乳食をはじめるときに、用意する物があります。
最低限、必要なものをご紹介します。

1.赤ちゃん用スプーン

離乳食初期
小さな口に合うサイズのスプーンを用意しましょう。離乳食初期はサポートしてあげることがほとんど。

お母さんがサポートしやすい柄の長い平らなスプーンがオススメです。

・離乳食中期以降

自分でもスプーンを持って口に運べるよう、赤ちゃん用に柄の短いスプーンを用意します。


2.割れない器

食器を落としたり服を汚したりすることがあるので、プラスチックや木など割れない素材の器が便利です。

赤ちゃんが何でもつかむようになってきたら、食器を落とさないように、食器の裏に吸盤がついたものがオススメです。

 3.お食事用エプロン

SAMOE(サモエ)食べこぼし用お食事エプロン専門shop

赤ちゃんが食べる際の服を汚さないように用意しましょう。

長めの丈のエプロンを使用すると、食べこぼした時の後片づけが楽です。

4. 赤ちゃん用の椅子

はじめは縦抱きであげることが多いかもしれませんが、
離乳食を食べる姿勢を保てる椅子を用意してください。

足が床についている方が姿勢が安定するので顎や舌に力が入りやすくなります。
足台の高さを変えられるような椅子は、お子様が成長しても正しい姿勢をキープできるのでオススメです。

5.すり鉢・ブレンダー

離乳食初期はペースト状であげることが多いので、すり鉢やブレンダーがあると便利です。

100円ショップなどでも離乳食用の調理器具が売られているので、はじめは安価なもので用意してみるのもありかもしれません。

是非見に行ってくださいね。

我が家ではすり鉢をよく使用していました。軟らかく煮て、すり鉢でするだけで簡単に1品作ることができていましたよ。

離乳食を作らなくなって、10年以上たちますが、いまだに料理ですり鉢を使っています。

離乳食をスタートしたら、赤ちゃんの成長に合わせて、食事の内容や回数もステップアップしていきましょう。

そもそも離乳食には

・初期(5~6ヶ月頃)
・中期(7~8ヶ月頃)
・後期(9~11ヶ月頃)
・完了期(12~18ヶ月頃)

と、大体の目安が決められています。


この通りすすめばいいというわけではなくて、赤ちゃんの発達に合わせて食べ物の形状をステップアップすることが大切です。

食べ物の形状のステップは、
ゴックン期→もぐもぐ期→かみかみ期などで、一般的に表されているのですが、


ここでは、赤ちゃんの食べられる形状に合わせて

・初期(ヨーグルト
・中期(とうふ
・後期(バナナ
・完了期(肉団子

とステップアップしていく離乳食のすすめ方をお伝えします。

離乳食初期(ヨーグルト状)

離乳食の回数は1日1回

形状はヨーグルト・ポタージュ状に。
はじめて食べる食品は1日1種類としましょう。

食べはじめの赤ちゃんに
食材そのものの味を味わってもらいましょう。

初日は10倍つぶしがゆを離乳食スプーン半分を目安に与えます。
ほんの少し食べさせてみて、食べることができたら量を増やしていきます。

まずはおかゆで食べる練習をして、上手に食べられるようになってきたら、

穀類→野菜・果物→タンパク質の順番で
最終的に穀類・野菜・果物・タンパク質がバランス良く食べられるように、食材を増やしていきます。

《離乳食初期の食材》

穀類)→つぶしがゆ、いものすりつぶし、うどんがゆ、パンがゆ

野菜・くだもの)→ペースト状の大根、にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、カブ、果物

(タンパク質)→ペースト状の豆腐、白身魚(たら、カレイ、しらす、ひらめ、たい)、卵黄(固ゆで)

*はじめて与える食品があるときは平日、午前中にあげましょう。
 万が一アレルギー反応を起こしても小児科へ受診できます。

*アレルギーが気になる!卵黄の与え方*

卵は食物アレルギーのおこりやすい食べ物です。

はじめは、20分ほど硬くゆでたゆで卵から卵黄だけを取り出して使います。

家族にアレルギー体質の方がいたり、肌が弱い人がいる場合は卵黄の中央部から耳かき1杯くらいから与えます。

家族にアレルギー体質の方がいない人は、1さじ(小さじ1杯)から試していきましょう。

気になる症状(卵黄アレルギーで多い症状は下痢・嘔吐)がなければ、卵黄1個分くらいまで、日に日に増やしていきます。

離乳食中期(とうふ状)

離乳食初期の形状(ヨーグルト・ポタージュ状)を飲みこむ力がついてきたら、
ステップアップの時期です。

離乳食は1日2回。形状はとうふ状。

大きさはみじん切り、あら潰し程度
形状に注意し、食品もどんどん増やしていきましょう。

中期から、味付けを開始します。
赤ちゃんの腎臓の負担を考えて、味付けはほんのり味が分かる程度の薄味に。

できるだけだしを活用しましょう。味噌・醤油・塩も少量なら使用できます。

《離乳食中期の食材》

*新登場する食材は太字にしています

穀類)5倍がゆ、いも、うどん・そうめん・パスタ、パンがゆ、コーンフレーク・オートミール

(野菜・くだもの)野菜全般。くだもの全般。

タンパク質)→魚:白身魚、赤身魚、ツナ 肉:鶏のささみ納豆、卵、牛乳(加熱)、プレーンヨーグルト、カッテージチーズ

離乳食後期(バナナ状)

離乳食中期の形状(豆腐状)を飲みこむ力がついてきたら、
ステップアップの時期です。

離乳食は1日3回。形状はバナナ状

大きさは粗みじん切り~8mm角程度
手づかみ食をはじめましょう。

後期から、味付けに調味料(塩、砂糖、醤油、味噌など)も開始します。

味付けは薄味に。油も使用できるのでお好み焼き等の焼き物をメニューにくわえられます。

薄味の目安は、大人の半分の味付け、とイメージしてください。

《離乳食後期の食材》 

*新登場する食材は太字にしています

穀類)→軟飯、いも、うどん・そうめん・パスタ、軟らかいパン、コーンフレーク・オートミール、ホットケーキ

(野菜・くだもの)→野菜全般。くだもの全般。きのこ、海藻類。

タンパク質)→魚:白身魚、赤身魚、青魚 ツナ 肉:鶏肉、豚肉、牛肉(挽肉が調理しやすい) 
納豆、卵、牛乳(加熱)、プレーンヨーグルト、カッテージチーズ

離乳食完了期(肉団子状)

離乳食後期の形状(バナナ状)を飲みこむ力がついてきたら、
ステップアップの時期です。

離乳食は1日3回。形状は肉団子状

味は薄味に。
飲みこみやすい大きさにカットしてあげましょう。

離乳食完了期は、ほとんどの食品を食べられます。
大人と同じメニューからとりわけしてみてください。

*注意が必要な食品

詳しくはこちら

↓↓↓
【参考サイト】厚生労働省ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから。 (mhlw.go.jp)

助産師、離乳食アドバイザーをしている中で、お母さん達からよく聞かれる質問を下記でご紹介します。

Q母乳やミルクをあげる回数はどうしたらいいの?

→今までのリズムを変える必要はありません。今まで通りに母乳やミルクをあげていいです。
離乳食は、母乳やミルクの補足と考えてください。


Qはじめる日の選び方は?

→離乳食をはじめるいいタイミングは
お母さんの余裕のあるときで、赤ちゃんの機嫌の良さそうな午前中です。
(アレルギー反応があったときに病院に受診できる)

Q5ヶ月より前にはじめてもいいの?

→5ヶ月より前は、栄養が母乳やミルクで十分間に合っているので、離乳食を食べなくても大丈夫なのです。

私は離乳食を頑張ったことがありません。

仕事で忙しく、【食】に時間をかけてあげられなかったので、

時間をかけない・残しても気にしない・汚れても気にしない

を実行し、気がつけば完了していました。

お母さんが無理をすると、「食事が楽しくないもの」になってしまいます。

離乳食は、赤ちゃんの発達によって形状や食材をチョイスし、ステップアップしていくことで完了期へつながります。

赤ちゃんの飲みこむ力をお母さんが把握していれば難しくはないものです。

「離乳食を難しい」ととらえずに、普段の食事の一つとして、
ちょっと工夫をしてあげるだけと考えてみてください。

カワイイ赤ちゃんとの食事を楽しめるよう、この記事がお役に立てば幸いです。
今しかない赤ちゃんとの離乳食の時間を楽しんでくださいね!

ライター:みく(助産師、離乳食アドバイザー)

大学生・高校生・中学生の3人の子供を持つ母
ワンオペ育児・思春期の反抗期を経験し、現在は穏やかな毎日を送る。

子育てはつらく苦しいだけじゃない、楽しく幸せな気持ちにさせてくれるもの
多くのママに子育ての楽しさを伝えたい
そんな思いで、助産師ライターとして活動中♪