
「そろそろストローの練習をさせなきゃ…」
離乳食が進んでコップ飲みの練習も始まる頃、多くのママさんパパさんが頭を悩ませるのが「ストロー飲み」ではないでしょうか。
私自身、「そのうち勝手に飲めるようになるでしょ」と軽く考えていたのですが、実際はそう簡単にはいきませんでした。
ストローをくわえても吸わずにただ噛んでいたり、逆に息を吹き込んでジュースを盛大に飛び散らせたり…。
何度も洗濯物を増やしながら、試行錯誤の末にようやくコツをつかんだ経験があります。
今回は、我が子をストロー飲みデビューさせた実体験をベースに、
「なぜ最初はうまく飲めないのか」
「いつから練習を始めればいいのか」
「具体的にどんな練習をすればいいのか」
を、できるだけ具体的にお伝えしていきたいと思います。
今まさに悩んでいるママさん、パパさんの参考になれば嬉しいです。
目次
そもそもなぜストローは難しいの?

赤ちゃんにとって「吸う」という動作自体は、母乳やミルクを飲むことで生まれた時から慣れ親しんでいる動きです。
しかし、ストローで飲むという行為は、実はそれとは違う、いくつもの動作が組み合わさった高度な技術なのです。
まず、ストローの先を口の中でしっかりくわえること。
次に、唇でストローの周りを密閉して、頬と舌を使って口の中に「陰圧(いんあつ)」、つまり吸引力を作り出すこと。
この一連の動きを同時に行わないと、ストローから飲み物を吸い上げることはできません。
哺乳瓶や母乳の場合は、赤ちゃんは主に舌を使った波状運動で母乳やミルクを絞り出しています。
これは生まれつき備わっている反射的な動きなので、練習しなくても自然にできますが、ストローで吸う動作は反射ではなく、「学習」して身につけていく動作になります。
そう考えると、最初からうまくできなくて当然だということが分かります。
私自身も当時、
「なんでうちの子だけできないんだろう」
と焦っていましたが、今思えばそれは筋肉や口の使い方を少しずつ覚えている段階だっただけでした。
ストロー練習はいつから始めるといいの?

一般的には、生後7〜8ヶ月頃、離乳食が2回食に進む時期から練習を始めるのがひとつの目安とされています。
ただし、これはあくまで目安であって、お子さんの発達には個人差があります。
我が家の場合、生後8ヶ月頃から練習を始めましたが、実際にストローだけでしっかり飲めるようになったのは1歳ごろからでした。
同じ月齢の子でもすんなりできる子もいれば、なかなか進まない子もいて、ペースは本当に様々です。
「もう〇ヶ月なのにできない」と焦る必要はまったくありません。
練習を始める目安としては、以下のようなサインが見られたタイミングがおすすめです。
・お座りが安定してきた
・離乳食のスプーンを上手に口に取り込めるようになった
・コップに興味を示すようになった
・大人が飲み物を飲む様子をじっと観察している
逆に、まだ首すわりが不安定だったり、お座りが安定していない時期に無理に練習させると、誤嚥のリスクが高まるので注意が必要です。
焦らず、お子さんの体の発達に合わせて始めることが何より大切だと実感しています。
ストロー飲みは歯並びに影響する?

練習を進める中で、「ストロー飲みは歯並びに影響するらしい」という話を耳にして、少し不安になったこともありました。
調べてみると、赤ちゃんの飲み込み方には「乳児嚥下」と呼ばれる、舌を前に出しながら飲み込む発達段階があり、成長とともに舌が上あごに収まる「成人嚥下」へと移行していくのだそうです。
ストロー飲みを早い時期から習慣にしすぎると、この移行がうまく進まず、舌の使い方の癖や歯並びに影響する可能性があると考える歯科医師の見解もあるようです。
とはいえ、短時間の練習や、コップ飲みと並行しながら少しずつ取り入れる分には、過度に心配しすぎる必要はないという考え方も見られました。
実際にどの程度の頻度や期間が影響するのかは、お子さん一人ひとりの発達によっても違ってくるところだと思います。
気になる場合は、乳幼児健診の際などにかかりつけの小児科医や歯科医に相談してみると安心です。
※参考文献:日本歯科医学会 「小児の口腔機能発達評価マニュアル」(2018年)うまく飲めない子に見られがちなパターン4選

いざストロー練習を始めてみると、
「思っていたのと違う…」
という展開になることがほとんどではないでしょうか。
すんなり吸えるようになる子ももちろんいますが、多くの場合は最初のうちにいくつかの「つまずきポイント」を通過していきます。
ここでは、我が家で実際に経験したものも含めて、代表的なパターンを詳しくご紹介します。
「うちの子だけ変なのかな」
と不安になる必要はまったくありません。
むしろ、どのパターンも赤ちゃんが今まさに口の使い方を学んでいる最中だというサインなのだと思います。
①ストローをひたすら噛んでしまう

ストローの先端を口に入れた途端、吸うのではなく前歯や歯茎でカミカミし始めてしまうパターンです。
特に歯が生え始める時期は、むずむずした歯茎を刺激したい欲求のほうが勝ってしまうようで、ストローがすっかり「かじるおもちゃ」になってしまうことも珍しくありません。
柔らかい素材のストローに変えても、しばらくはやっぱり噛んでしまうことが多く、根気強く見守る必要がある段階だと感じています。
噛む動作自体は悪いことではなく、むしろ口の感覚を確かめている大事なプロセスなので、焦らず見守ってあげましょう。
②吸うつもりが逆に息を吹き込んでしまう

ストローをくわえてはみるものの、なぜか息をフーッと吹き込んでしまい、コップの中の飲み物がブクブクと泡立ったり、勢いよく飛び散ったりするパターンです。
テーブルや洋服がびしょ濡れになって、片付けに追われることもしばしばあります。
これは「吸う」と「吹く」という、口の中で正反対の動きを使い分けられていない証拠で、赤ちゃんにとってはごく自然な通過点です。
むしろシャボン玉やロウソクの火を吹き消す遊びなど、日常の中で「吹く」動作を経験している子ほど、この段階を通りやすいとも言われています。
③ストローをくわえたまま固まってしまう

口の中にストローを入れることはできても、そこから先、何をすればいいのか分からずにじっと固まってしまうパターンです。
吸うでも吹くでもなく、ただ無反応な状態が続くので、練習させている側としては
「あれ、興味がないのかな」
と心配になりがちです。
ただこれは、そもそも「口を使って飲み物を引き寄せる」というイメージそのものがまだ頭の中にできていないだけのことが多く、大人が近くでお見本を繰り返し見せてあげることで少しずつ変化していく傾向があります。
④ストローそのものを嫌がって受け付けない

そもそも口の中に異物を入れられること自体を警戒して、ストローが近づくと顔を背けたり、ぎゅっと口を閉じてしまったりするパターンです。
感覚が敏感なタイプのお子さんに比較的よく見られる反応で、無理に口をこじ開けようとすると、余計にストロー自体への苦手意識を強めてしまう可能性があります。
こうした場合は、遊びの延長として、まずは水を入れていない空のストローを触らせてみたり、お風呂の中でおもちゃとして親しませてみたりと、ストローという物自体への警戒心をゆっくりほぐしてあげるところから始めるとうまくいきやすいでしょう。
※参考文献:一般社団法人 母子栄養協会 ストロー飲み・コップ飲み 練習方法と始める時のコツ我が家で実践したストロー練習のコツ

「あるある」パターンを知っても、じゃあ実際どうすればいいのか、というのが正直なところですよね。
私自身、最初は「気長に見守ればそのうちできるようになるはず」と漠然と思っていたのですが、何もせずただ待っているだけでは、なかなか状況が変わらないなと感じる時期がありました。
そこで育児書やネットの情報を参考にしながら、実際にいろいろな方法を試してみることにしました。
ここからは、そうした試行錯誤の中で
「これはやってよかった」
と感じている練習方法を具体的にご紹介していきます。
すべてを一度に試す必要はないので、子どもの様子を見ながら、合いそうなものから取り入れてみてくださいね。
①最初は「水」で練習がおすすめ

意外に思われるかもしれませんが、最初の練習にはトロみがついている飲み物より、麦茶や水など、サラサラした飲み物のほうが向いています。
市販の「ストロー練習用ジュース」のような甘い飲み物は魅力的に思えますが、甘みがあると赤ちゃんはゴクゴク飲もうとして、うまく吸えないとむせやすくなってしまうことがあります。
まずは目的が「飲むこと」ではなく「吸う動作を覚えること」だと割り切って、少量の水や麦茶で練習するのがおすすめです。
②柔らかいシリコン製のストローを使う

歯が生えかけの時期は、硬いプラスチック製のストローだと、つい噛んでしまうことが増えてきます。
そんなときはシリコン製のやわらかいストローを選ぶと、噛んでしまっても口の中を傷つけにくく、吸う練習の妨げになりにくいというメリットがあります。
我が家では、離乳食用品店やベビー用品店で購入した、柔らかいシリコンストローで、ふた付き・漏れにくいタイプのマグを愛用していました。
ストロー部分がやわらかいシリコン製なので、口に当たっても安心感がありました。
赤ちゃんが振り回しても中身が漏れにくく、ストロー飲みデビューにはぴったりのアイテムだったと感じています。
③紙パック飲料で少量を口に入れる練習

ストローマグでうまくいかない時に試してよかったのが、市販の紙パック飲料を使う方法です。
紙パックにストローを挿した状態で、パックを軽く指で押してあげると、ストローの先から飲み物がぴゅっと少量出てきます。
これを赤ちゃんの口元に合わせてあげることで、「ストローの先から飲み物が出てくる」という感覚と、「それを口で受け止める」という感覚を、吸う力に頼らずに体験させてあげることができました。
最初のうちは、ほんの数滴が口に入るくらいの軽い力加減で十分です。
何度か繰り返すうちに、赤ちゃん自身も口をすぼめてストローを迎えにいくようなしぐさを見せるようになり、そこから少しずつ「自分で吸う」動きへとつながっていったように感じています。
紙パックは持ちやすく、押す力加減も調整しやすいので、練習の入り口として取り入れやすいアイテムでした。
④「フーフー遊び」で吸う・吹くを区別する

吸う動作と吹く動作を混同してしまうお子さんには、遊びの中でその違いを体感してもらうのも効果的です。
例えば、シャボン玉を吹く遊びや、ティッシュを軽く吹き飛ばす遊び、逆にストローを使って水面に小さな泡を作る遊びなどを取り入れていました。
「口から空気を出す」感覚と、それとは逆に「口の中に空気(や液体)を取り込む」感覚の違いを、日常の遊びの中で少しずつ経験させてあげると、ストロー飲みの理解にもつながりやすくなります。
⑤機嫌のいいタイミングを選ぶ

これは私が痛感したことなのですが、練習は「お腹が空きすぎていない」「眠くない」「機嫌が良い」タイミングを選ぶことがとても重要です。
お腹が空きすぎていると早く飲みたい気持ちが先走ってうまくいかず、逆に眠かったりぐずっていたりすると、そもそも新しいことに挑戦する余裕がありません。
食事の前の少し落ち着いたタイミングや、遊びの延長線上でリラックスしている時間帯を狙うのがおすすめです。
⑥大人が手本を見せてあげる

赤ちゃんは大人の真似をすることで多くのことを学びます。
ストロー飲みも例外ではなく、パパやママがストローで飲み物を飲む様子を見せてあげることも、立派な練習になります。
「見て見て、こうやって吸うんだよ」
とゆっくり、大げさなくらいに口の動きを見せてあげると、お子さんも興味を持って真似しようとすることがあります。
我が家では、一人っ子ということもあって、きょうだいのお手本がない分、パパとママが交代で何度も見せてあげるようにしていました。
すると、大人の口の動きをじっと観察してから、ある日突然コツをつかんだようにスムーズに飲めるようになった瞬間があり、驚いたのを覚えています。
⑦細いストロー&短いストローを使う

これは実際に自分で経験して感じたことなのですが、ストローの太さや長さによって、飲みやすさが大きく変わってきます。
まず、ストローが太いと、それだけ多くの吸う力が必要になります。
細いストローに比べて、同じ量の水分を吸い上げるのにより強く吸わなければならず、これが地味に負担になることも。
また、ストローが長いと、口をつけてから実際に水分が口の中に届くまでに時間がかかります。
吸い始めてから水面までの距離が長い分、ストローの中を水が上ってくるのを待つ形になり、吸い続けている間ずっと「まだ来ない」という状態が続いてしまい、それが赤ちゃんの困惑にもつながることもあります。
一方で、なるべく短くて細いストローを使うと、少しの吸う力ですぐに水分が口の中に届くので、「できた!」という成功体験にも繋がりますよ。
こうした違いは意外と見落とされがちですが、飲みやすさに直結する大事なポイントだと感じました。
練習中に気をつけたいこと

「早く飲めるようになってほしい」という気持ちが強くなるあまり、練習に熱が入りすぎてしまうこともありますよね。
私自身も振り返ってみると、良かれと思ってやっていたことが、実は逆効果になっていたと後から気づいた場面がいくつもありました。
ここでは、実際に練習をする上で気をつけていただきたい点を、私自身の反省も踏まえてお伝えしておきます。
どれも当たり前のことのように思えるかもしれませんが、練習に夢中になっているとつい忘れがちなポイントでもあるので、ぜひ頭の片隅に置いておいていただけたらと思います。
①座った姿勢で練習する

まず何より大切なのは、必ず座った姿勢で練習させることです。
寝転んだ状態や、歩きながらの練習は誤嚥のリスクが高まるため注意が必要。
ベビーチェアやハイチェアに座らせて、大人がそばで見守りながら練習するようにしましょう。
ストロー飲みを始める前に、万が一の誤嚥やむせ込みに備えて対処法を知っておくと安心です。
もしむせてしまった場合は、慌てて水を飲ませようとせず、まずは背中を軽く前傾させてトントンと優しく叩いてあげ、咳が落ち着くまで様子を見てあげましょう。
呼吸が苦しそうだったり、顔色が悪くなったりした場合は、すぐに医療機関を受診してください。
こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
②無理強いしない

うまく飲めずに泣いてしまったり、嫌がる素振りを見せたりした時は、その日は一旦切り上げて、また日を改めて挑戦するくらいの心構えでいいと思います。
私自身、焦って何度も練習させようとした結果、逆にストロー自体を嫌がるようになってしまった時期がありました。
そこで一旦練習をお休みして、1週間ほど経ってから再開したところ、案外あっさりコツをつかんでくれたということもありました。
「今日できなくても、来週にはできるようになるかもしれない」
くらいの気持ちで、焦らずゆっくり見守ることも大切だと感じています。
③飲み物は少量から

練習に使う飲み物の量は少量から始めましょう。
最初から満タンに入れてしまうと、うまく吸えずにこぼしてしまった時の量も多くなり、片付けが大変になるだけでなく、お子さん自身も飲み物で服が濡れて不快な思いをしてしまいます。
少量ずつ、こまめに足して練習していくスタイルがおすすめです。
まとめ

ここまで、ストロー飲みがなぜ難しいのか、いつ頃から練習を始めるといいのか、そして具体的にどんな工夫ができるのかをお伝えしてきました。
正直なところ、育児のあらゆる「〇〇ができるようになる」という内容には、驚くほど個人差があります。
ストロー飲みも例外ではなく、早い子は生後8ヶ月頃にはマスターしますし、1歳半を過ぎてからやっとコツをつかむ子もいます。
大切なのは、他のお子さんと比べて焦ることではなく、目の前のわが子のペースに寄り添いながら、楽しく練習を進めていくことなのかなと、子育てを通して改めて感じています。
ストローを噛んでばかりだった日々も、息を吹いてジュースを飛び散らせていた日々も、今となっては懐かしい思い出です。
ちなみにストロー練習中の飲みこぼし対策には、我が家ではSAMOEのお食事エプロンが大活躍でした。
吸盤付きでずれにくく、こぼれた飲み物もしっかりキャッチしてくれるので、練習のたびに着替えさせる手間がぐっと減りますよ。
こちらもチェックしてみてくださいね。

うまくいかない日が続いても、いつか必ずコツをつかむ日が来ます。
どうか、同じように悩んでいるママさんパパさんが、少し肩の力を抜いて練習を見守れるきっかけになれば嬉しいです。



