子どもが嫌いな食べものを食べないことは、多くの親にとって頭を悩ませる問題です。
初めて食べるけど嫌いなもの。
昨日まで食べていたのに今日は食べない・・・
せっかく作ったのに、
「なんで?どうして?」
そんな気持ちになってしまいますよね。
本当になんでもよく食べる子は、ほとんどいません。
子どもだって、一人前に好みがあるのです。
それでも、
「嫌いなものがなくなってほしい!」
「なんでも食べる子になってほしい!」
そう願う方がほとんどです。
この記事では、赤ちゃんから入学前の子どもまで、それぞれの成長段階に応じた対応について詳しく解説します!
目次
子どもが嫌いな食べものを食べない4つの理由
子どもは、まだ気持ちをうまく言葉で伝えることができません。
赤ちゃんはまだ話せないので、どうして食べないのか親でも分からないことがあります。
子どもが嫌いな食べものを避ける理由は様々です。
ここでは、嫌いなものを食べない4つの理由を解説します。
①味覚の発達
子どもの味覚は大人より敏感で、大人は感じない苦み・酸味を感じることができます。
特に【苦み】は、本能的に避ける反射が人には備わっています。
そのため、ホウレン草などの緑色の苦い野菜は嫌われがちです。
②食感の違い
子どもは特定の食感に対して敏感なことがあります。
「柔らかすぎる」「固すぎる」「ヌルヌルしている」などの食感が嫌いな場合があります。
③新しいものへの抵抗
新しい食べものや見慣れないものに対して抵抗を示すのは、防衛本能のひとつです。
これにより、子どもは新しい食べものを避けがちになります。
大人でも、初めて食べるものにはドキドキしますよね。
子どもなら、なおさら不安な気持ちが強くでることは自然なことです。
④親の反応
親が特定の食べものを嫌がったり、無理に食べさせようとすると、子どもの嫌がる態度が強くなることがあります。
【親が嫌いな食べもの=子どもが嫌いな食べもの】
ということは、本当によくあります。
筆者自身も、母親が嫌いなトマトが今でも苦手です。
子どもの頃に無理やり食べさせられたことがトラウマになって、大人になっても食べれない。
という話しも、よく聞きます。
赤ちゃん期(0~1歳)の対応
赤ちゃん期は、離乳食の時期で初めての食べものをたくさん経験する大切な時期です。
とても素直な反応を食事に対してもするので、丁寧に対応していきたいですね。
離乳食は生後5~6か月頃から始めます。
初めての離乳食はお米のおかゆや野菜スープなどからスタートし、段々と野菜やくだもの、タンパク質を加えていきます。
苦手な食べものは出てくるかもしれませんが、食べることって楽しい!という気持ちを1番大切にしましょう。
・味に慣れるまでの時間
新しい食べものを嫌がる場合は、無理に食べさせず、時間をかけて慣れさせましょう。
何度か試すことで徐々に慣れていくことが多いですよ。
あわてず赤ちゃんのペースに合わせて進めていきましょう。
・さまざまな食感を試す
赤ちゃんは食感に敏感です。
さまざまな食感の食べものを試すことで、赤ちゃんがどの食感を好むかを見極めましょう。
また、離乳食の時期は発達も関係しています。
嫌がる素振りがあるなら、少し前の食事の状態に戻して様子をみましょう。
体調が悪くてあまり食べられない場合もあります。
そんな時は無理に食べさせず、いつもより柔らかいものにしたり、ミルクで対応してもいいですね。
幼児前期(1~3歳)の対応
幼児期は、自我がめばえ始め、好き嫌いがはっきりとでてくる時期です。
今までは、
「好きなものと交互でなら食べていた。」
「スープやごはんと一緒になら、食べていた。」
そんな技が通用しなくなる時期です。
我が子の成長を感じるうれしい反面、なにをしても食べてくれなくなるしんどい時期でもあります。
そんなしんどい時期もいつかはよくなる日がきます。
次に紹介する2つの対応でしんどい時期を乗りこえて、楽しい食事にしていきましょう!
・子どもの気持ちを尊重する
この時期は、なんでも自分でやりたい!選びたい!という気持ちが強くなります。
食事のメニューをいくつか作り、子どもに選ばせることで、子どもの気持ちを尊重しつつ嫌いな食べものを克服する手助けになります。
嫌いなもの、苦手なものを克服するのはほんの小さなきっかけだったりするのです。
・小さなひと口から
嫌いな食べ物は、小さなひと口から始めることが大切です。
無理強いせず、少しずつ慣れさせることで、嫌いな食べ物に対する抵抗感を減らします。
子どもの嫌いなものに対する拒否の強さにもよりますが、嫌いだから食べないから食事に一切出さないということはやめましょう。
子どもの嫌いなものを克服するチャンスを、なくしてしまいます。
そして少しでも食べられたときには、しっかり大げさなくらいほめることが大切です。
嫌いな食べものに対してポジティブなイメージを与えることで、子どもはまた挑戦してみようという気持ちが湧きます。
大人から見たら小さな一歩ですが、子どもにとっては大きな大きな一歩なのです!
以下のサイトでは、人気食育講師の方や、てぃ先生が食の悩みに答えてくれています。
良かったら参考にしてみてください♪
↓ ↓ ↓
講談社コクリコ「幼児期の味覚形成のコツ 子どもの好き嫌いはどうやって克服するの?」
講談社コクリコ Web Genki 「好きなものしか食べない」子どもの食事の悩み【現役保育士てぃ先生による解決策】
幼児後期(3~5歳)の対応
幼児後期は、社会性が発達し、友だちの影響を受けやすくなる時期です。
幼稚園や保育園に通う時期で、友だちとの関りも自然と多くなりますよね。
子どものなかで、友だちの存在が大きくなってくる時期です。
・友だちと一緒に食事
保育園や幼稚園など友だちと一緒に食事をする機会が増える時期です。
友だちが食べているものに興味を持ち、嫌いな食べものでも食べるきっかけになります。
また、嫌いなものでも一緒になら頑張って食べれてしまう不思議な友だちパワーがあったりします。
友だちってすごいですよね!
保育園・幼稚園に通われていない方は、お友だち同士でごはんを食べる機会を作ったり、ピクニックなどお弁当を持って外でお友だちと食べるのもいいですね。
・楽しい食事環境
食事を楽しい時間にすることで、嫌いな食べ物に対する抵抗感を減らします。
楽しい時間にする3つのポイントとを、以下に紹介します。
- ・好きなもの、食べられるものを1品は用意
- ・苦手なものを無理やり食べさせない
- ・楽しい会話や雰囲気を♪
食卓を明るくし、家族みんなで楽しく会話をしながら食事をしましょう!
小学校入学前(5~6歳)の対応
小学校入学前は、社会性や自主性がさらに発達する時期です。
また、理解力がさらに増して、「食事と体」がつながっていることが分かるようになってきます。
嫌いなものなのに、
「なんで食べなきゃいけないの?」
「なんで食べたほうがいいの?」
そんな子どもの疑問が解消されるときです。
それでも、嫌いなものは嫌い!という気持ちもよく分かりますよね。
そんな子どもの背中を押してあげる2つの方法を紹介します。
・一緒に料理をする
子どもと一緒に料理をすることで、食材に対する興味が湧き、自分で作ったものを食べる喜びを感じます。
簡単なことでいいのです。
食材を洗ってもらったり、皮むきを一緒にやったり。
調味料を混ぜたり、葉ものをちぎってもらったり。
簡単なお手伝いをすることで子どもの「自分でつくった食事」となります。
親にとって初めてのお手伝いは大変なことが多いですが、時間をつくってチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
長い目でみれば、大きくなってからもお手伝いしてくれるようになるかもしれませんよ。
初めて子どもと一緒に料理をするオススメアイテムを紹介します♪
・ダイソー ハンドル野菜カッター
引用元:ダイソーネットストア
子どもでも簡単に扱えて、楽しくできてとっても便利!
なるべく固くない野菜を使うといいかもしれませんね♪
・IKEA エプロン
引用元:IKEAオンラインストア【公式】
エプロンをつければ、気分はコックさん♪
子どものやる気もグングン上がること間違いナシ!
IKEAは、コスパのいいかわいいエプロンがたくさんありますよ。
親子でおそろいのエプロンも、楽しいですね♪
・パパママキッズピーラー PK-12
引用元:amazon.co.jp
包丁はちょっとまだこわいけど、子どもに何か挑戦させてあげたい!
そんなパパママには、子どもに野菜の皮むきのお手伝いをしてもらってはどうでしょうか?
パパママキッズピーラーは、子どもの手に合うよう小さめに設計されたピーラー。
ただし!
切れ味はいいので、必ず大人と一緒に挑戦しましょう。
・貝印 KAI こども包丁初級用 リトルシェフクラブ
初めての包丁にオススメです!
バナナや豆腐などやわらかいものを切る、包丁の練習にピッタリ♪
左利き、右利きどちらでも使えます。
慣れてきたら、同シリーズで中級用・上級用の包丁にステップアップしてもいいですね。
・SAMOE お食事エプロン
SAMOE お食事エプロン 袖なし【ラウンドカラーデザイン】
SAMOEのお食事エプロンは、お手伝いエプロンとしても活躍します!
丈も60cmなので、長く愛用できますよ♪
子どもへのプレゼントや、出産祝いなどのギフトにもピッタリなシンプルで上品なエプロンです。
便利なアイテムを上手に取り入れて、お手伝いを楽しい時間にしていきましょう♪
・食育を通じた学び
食育を通じて、食べ物の大切さや栄養について学ぶことで、嫌いな食べものに対する理解が深まります。
絵本やアニメ、実際の体験を通じて食べものについて学びましょう。
食育の絵本のオススメ参考サイトはこちら♪
↓ ↓ ↓
親にできる4つのこと
わが子の好き嫌いを減らすために、親だからできることがあります。
親は、毎日一緒に食事をする子どもにとって1番身近な存在です。
ここでは、親だからできる4つのことを紹介します。
①食事ルールを決める
「昨日はひと口食べたらいいって言ってたのに、今日はぜんぶ?」
「ママとパパで言ってることがちがってて、よくわからない・・」
大人によってちがうことを言われたり、日によって言うことや対応がちがうと子どもはとても困ってしまいます。
一緒に食事をする大人は、子どもにどのような対応をするか、ある程度のルールを決めておくといいですね。
②食事時間の工夫
食事の時間を楽しいものにするために、子どもの好きなキャラクターの食器を使ったり、楽しい会話を心がけたりしましょう。
また、幼児期以降の子どもには食事をゲーム感覚で楽しむことで、嫌いな食べものにも挑戦しやすくなります。
例えば、「ひと口チャレンジ」や「色ごとに食べるゲーム」など、楽しいルールを設定して食事を楽しんでみてはいかがでしょうか。
③小さな成功を積み重ねる
嫌いな食べものを少しでも食べられたら、しっかりとほめてあげましょう。
大好きな人にほめられたら、子どもはとてもうれしいです。
小さな成功の積み重ねが、子どもの自信を育て、嫌いな食べものを克服する助けになります。
④自然体験を通じて
農場体験や家庭菜園など、自然とふれ合う体験を通じて、食べものに対する興味や理解が深まります。
自分で育てた野菜を食べることで、食べものに対する愛着が湧き、嫌いな食べものも克服しやすくなります。
筆者の体験談
筆者は、保育園調理員として働いています。
お母さんお父さんの食の悩みとして、多いのは「食べない」ことです。
保育園では食べるのに、家では食べない!
これも、子ども自身が頑張っているのと、友だちパワーもあるのでしょう。
保育園で食べるのなら、だいじょうぶです。
いつか家でも食べれるようになりますし、保育園で食べてるからいっか!くらいの気持ちでいいのです。
子どもが食べれないと、食べてほしい!気持ちが強くなる時もありますよね。
そんなときは、自分や周りの大人のことを振り返ってみてください。
嫌いな食べもの、ありませんか?
嫌いだった食べれなかったもの、あったのではないでしょうか。
あるベテラン保育園栄養士さんの講演会で、
「ながーい目で見て、いつか食べれるようになればいいんです。」
それを聞いた保育士の先生は、それでいいいんだ。本当に肩の荷がおりた。と言っていました。
保育士の先生も「食べさせなければいけない」というプレッシャーを感じていたりします。
筆者もお父さんお母さんに、自信をもって
「だいじょうぶ!いつか食べれるようになるよ!」
そう言えるようになりました。
自分自身も、大人になってから食べれるようになったものあったりしませんか?
子どもに無理やり食べさせて嫌な思いはさせずに、いつか食べられる日がくる!と信じてのんびりいきましょう。
まとめ
今回は、子どもが嫌いな食べ物を食べない時の対応について調べてみました。
成長期によって対応はちがってきますが、なにより「食事は楽しい!」という気持ちが、嫌いな食べものを克服することにつながってきます。
今は小学校でも、「全部食べさせる」ということはなくなってきています。
それでも、食べれない献立でお腹を空かせてたり、食べれないことで嫌な思いをしないように今できることをしてあげたいですよね。
長い目でみて、大人になるころには食べられるようになるといいね!
くらいの気持ちで、子どもの好き嫌いにどーんと構えていきましょう!
ライター haru
一男一女の子育て中ママライター。
保育園で給食調理をしている調理師。
たくさんの子どもたちの離乳食を作ってきました。
子どもの食事も十人十色。
みなさんの食の悩みが少しでも楽になり、食事って楽しい!と思える記事を書いていきたいです。