離乳食がはじまると赤ちゃんが便秘がちになることがありますよね。

この記事では、離乳食アドバイザーが赤ちゃんが便秘になる原因と
その対策について詳しく解説していきます。

排便時に苦しむ様子がある場合などは便秘と言います。

「何日出ないから便秘」という定義はなく、
便が2、3日出なくても、機嫌が良ければ問題ありません。

赤ちゃんはどのような場合に便秘になりやすいのでしょうか。
ここでは考えられる3つの原因を紹介します。

(1)水分不足

水分不足になると便が硬くなり、便秘の原因になります。
特に赤ちゃんが離乳食を食べ始めると、母乳やミルクを飲む量が減るため、
水分摂取量が自然と少なくなり、便秘になることがあります。

(2)環境が落ち着かない

旅行や引っ越し、帰省、入園など、環境の変化によって便秘になることもあります。
環境の変化が原因の場合は、生活リズムが整うことで便秘が解消される可能性があります。

(3)離乳食の量が少ない

離乳食を始めたばかりの赤ちゃんは、食べる量が少なく、
便の元となる消化物が少ないため、腸の動きが悪くなり、便秘を引き起こすことがあります。

赤ちゃんが離乳食を始めて便秘になったからといって、
すぐに離乳食を中断する必要はありません。

ここでは、離乳食を始めた赤ちゃんの便秘対策について見ていきましょう。

(1)水分を増やす

赤ちゃんが離乳食を始めたら、母乳やミルクを飲む量が減ってしまいます。
そこで、水分不足を避けるためにも、こまめに水分補給を行っていきましょう。

(2)食物繊維を与える

離乳食が進むと、野菜や果物を食べられるようになるので、食物繊維を積極的に取り入れましょう。

食物繊維には、便を柔らかくする「水溶性食物繊維」と、
便のカサを増して腸を刺激する「不溶性食物繊維」があります。

水溶性食物繊維」は果物や海藻類、野菜に多く、
不溶性食物繊維」はさつまいもなどの根菜類や穀類に多く含まれています。

ですが、不溶性ばかりに偏っていると、大腸内で便の水分が吸収され、
ますます便が固くなり、腸に負担がかかってしまいます。

不溶性と水溶性の食物繊維をバランスよく摂るように注意しましょう。

(3)発酵食品を与える

発酵食品に含まれる乳酸菌やビフィズス菌は、
悪玉菌の繁殖を抑えて腸内環境を整え、便秘解消に役立ちます。

これらは味噌やヨーグルト、チーズなどに多く含まれています。
発酵食品が食べられるようになったら、毎日の離乳食にプラスしてみましょう。

また、善玉菌のエサとなるオリゴ糖を一緒に摂ると、
より効果的に腸内環境を改善できると考えられています。

オリゴ糖は玉ねぎ、ねぎ、バナナなどに多く含まれます。
ヨーグルトとバナナであれば、簡単に用意でき、美味しく食べることができますよ。

(4)油を使う

油の使い過ぎは良くありませんが、油は腸の中で潤滑油の働きをするので、
離乳食に少量使ってみるといいですね。

離乳食期にはオリーブオイルこめ油を使うのがオススメですよ。

赤ちゃんが便秘になってしまった場合に、
ご家庭でできる解消法を3つ紹介します。
効果は様々ですが、ぜひ試してみてください。

(1)お腹のマッサージ

マッサージや体操は、お風呂あがりや、授乳の前のおむつ替えのとき、
目覚めてご機嫌なときなどに行いましょう。
嘔吐を引き起こさないよう、満腹時は必ず避けるようにしてください。

眠っているときに、そっとお腹をなでてあげるのは大丈夫です。
マッサージは便秘の時だけでなく、普段からやっているとガスが溜まりにくくなります

マッサージは、赤ちゃんと向かい合うようにして、おへそを中心に、
指先でひらがなの「の」の字を描くように円を描き、優しくさすってあげましょう。

他にも、赤ちゃんの両足を持って、
お腹にひざを引き寄せる感じで軽く曲げ伸ばす運動もおすすめです。
この時、足を無理に引き伸ばさないようにしましょう。

(2)綿棒浣腸

綿棒浣腸は、お尻に刺激を与えて排便を促す方法です。
「癖にならないか心配」と思われるかもしれませんが、
癖にはならないので、安心して行ってくださいね。

綿棒は大人用の綿棒を使いましょう。
子ども用の綿棒は、細すぎて刺激が不十分だったり、
先が少し硬かったり、棒の部分が折れてしまったりするおそれがあります。

まずは綿棒にベビーオイルやワセリンを塗り
肛門から1cmほどゆっくり入れていきます。

綿棒を入れすぎてしまうと腸の壁を傷つけてしまうリスクがあるため、
綿がついているところを目安に入れるといいですよ。

そして、ゆっくりと回すように10秒ほど綿棒を動かしましょう。
あまり強く刺激しないよう、優しく行いましょう。

「やり方がよく分からない」「自分でやってみるのは怖い」という場合は、
小児科で相談してみましょう。
医師や看護師が教えてくださる場合があります。

筆者の場合は、産婦人科の助産師さんが実際に綿棒浣腸をして見せてくれました。

(3)マルツエキス

赤ちゃんの便秘薬で、薬局で購入することができます

便が硬く排便が困難なときに使います。
さらにマルツエキスは、カリウムや糖分の栄養補給剤にもなります。
一般的な浣腸や下剤などと違い、即効性はなく作用は穏やかで、自然な排便を促す薬です。

甘みのある水あめ状の薬なので、そのままでも飲みやすいですが、
白湯やミルクに溶かして飲むこともできますよ。

「便秘で病院に行ってもいいのかな」と悩まれる方も多いかもしれませんが、
便秘で病院に行くことは珍しくありません。
安心して受診してくださいね。

目安として、以下のような症状がある場合は、早めに医師に相談しましょう。

・機嫌が悪い
・食欲がなくなってきた
・お腹が張って苦しそう
・便に血がついている
・吐き戻しが増えた
・いきんでいるのに便が出ない

筆者の息子は、生まれたときから便秘がちでした。
離乳食を始めるとさらに便秘がひどくなり、水分も摂ってくれないのでかなり悩みました。

ここまで記事で解説した内容はすべて試したものの改善することはなく、
支援センター、保健師、看護師、栄養士…様々な方に相談しました。
どこで相談しても言われることは実践した内容と同じで、便秘は改善されませんでした。

病院に行って相談しても、
「お腹のマッサージしてみて」「ヨーグルトあげてみて」と言われるばかり。

ただ、息子の場合は、硬い便が肛門に挟まったまま出てくることも引っ込むこともなく、
30分便が挟まったままだったこともしばしばありました。

いくら口で説明しても理解してもらえない。
そこで、便の状態がいかにひどいかを写真に撮って小児科を受診したところ、
「これは本当にひどいね」と、ようやくお薬を処方してもらえました。

自分で症状を話していても、便秘の程度を分かっていただけないことも多いと思うので、
便秘の症状があればぜひ便の状態を写真に撮って見せてください。
写真を見ることで、医師も判断しやすいかと思います。

離乳食を始めると、赤ちゃんの便秘に悩むことも多くなりますよね。
ですが、適切な対策を行えば、便秘は改善する可能性が高いです。

赤ちゃんの様子を見ながら、離乳食期の便秘を乗り切りましょう。

ライター:AZUMI

第一子出産を機に離乳食アドバイザー、幼児食アドバイザーの資格を取得。
だしソムリエの資格を持っていたことから、離乳食とだしの関係に興味を持ち、
離乳食おだしインストラクターの資格を取得。

親が笑顔だったら子どももハッピー!をモットーに子育てをしています★
現在は仕事をしながら、子育て中の食事に関する悩みを持つ方々の相談会を実施しています。