赤ちゃんの誕生は、誰にとっても特別な嬉しい瞬間ですよね。

友人や同僚、親しい人の出産を祝う場面で、連名でお祝いを送ることを考える方も多いのではないでしょうか?

複数人での贈り物は、一人一人の負担を減らしながら豪華なお祝いを贈ることができるというメリットも。

しかし、連名でのお祝いには気を付けるべきマナーやポイントがあります。

今回の記事では、連名での出産祝いをスムーズに進めるためのポイントを詳しくご紹介します。

‍出産祝いを連名で贈るときのご祝儀袋の書き方

出産祝いを連名で贈る場合、関係性や贈る人数によってご祝儀袋の書き方も異なります。

「夫婦やカップルで贈る場合はどう書いたらいいの?」

「連名で贈る時の書き方に決まりはあるの?」

など、疑問もあるかと思います。

以下では、贈り主の人数やケースに合ったご祝儀袋の書き方をご説明します。

現金を包む場合ご祝儀袋を用意する

出産祝いを現金で贈る場合、まずは「ご祝儀袋」を用意します。

このご祝儀袋にも種類があること、ご存じでしたか?

ご祝儀袋には水引と呼ばれる飾り紐がついていますが、この水引は結び方によって様々な意味があります。

出産祝いに適しているのは水引が

「紅白・蝶結び(花結び)」のご祝儀袋です。

蝶結びは簡単にほどけて何度でも結び直しができることから「何度でも起きて欲しいお祝い事」を意味します。

そのことから、何度あっても嬉しい出産祝いに適しているとされています。

逆に「結び切り」や「あわじ結び」は、一度結んだら簡単にほどけない結び方は結婚祝いや快気祝いのような「何度も起きて欲しくないお祝い事」のときに使用するもので、出産祝いには向いていません。

出産祝いのご祝儀袋は「紅白で蝶結び」の水引を選びましょう。

表書きにもマナーがある

出産祝いに使用するご祝儀袋の、水引より上の部分を「表書き」、下の部分を「名入れ」といいます。

この項目では表書きと名入れのマナーについてご紹介していきます。

出産祝いの表書きは「御祝」または「御出産御祝」とするのが一般的です。

「御出産祝」でも良いと思いがちですが、これだと4文字になります。

出産祝いに限らず、お祝い事では4という数字は「死ぬ」という意味を連想させるため避けるべきです。

また、表書きや名入れは「濃い墨色の筆」を使いましょう。筆ペンを使っても大丈夫です。

薄い墨色は弔事用に使われるもので、お祝い事に使用すると失礼にあたりますので絶対に避けましょう。

夫婦など2人連名で出産祝いを贈る場合

カップルや夫婦など2人連名で出産祝いを贈る場合、一般的には右に男性の名前、左に女性の名前を記入します。

同姓の夫婦の場合、夫のフルネームを中央に揃えて書き、その左側に妻の下の名前だけを記入します。

夫婦別姓または結婚前のカップルの場合は2人の氏名を並べて記入しましょう。

3人連名で出産祝いを贈る場合

会社の仲間や友人同士の3人の連名で出産祝いを贈る場合の書き方です。

3人の連名の場合、名入れ部分に全員のフルネームを書きます。

この時注意したいのが、名前の並べ方には意味があるという点です。

一番目上の人から順番に、右から左へと並べて書きます。

同期や親しい友人同士で上下関係がない場合は、氏名の五十音順で並べると良いでしょう。

4人以上の連名で出産祝いを贈る場合

4人以上の連名で出産祝いを贈る場合、代表者の氏名をフルネームで中央に書き、左側に小さく「他一同(外一同)」と書き添えます。

会社などの場合、代表者の名前を書かずに「○○課 一同」や「○○課 有志」と書く方法もあります。

課の全員がお祝いに参加した場合は「一同」、課の中で数人が参加した場合は「有志」という意味合いになります。

4人以上の連名の場合は全員の名前をご祝儀袋に書ききれないため、「別紙」を同封することになります。

4人以上の連名「別紙」の書き方

出産祝いを4人以上の連名で贈る場合の「別紙」の書き方をご紹介します。

半紙か和紙を横長の状態にして、濃い色の墨筆または筆ペンで記入します。

上の中央部分に「御祝」と書き、その下に全員分の住所と氏名を書いていきます。場合によっては金額も記入します。

お祝いをもらった側は、この別紙を見てお返しとなる内祝いを用意しますので、住所も省略せずにきちんと書くようにしましょう。

名前を並べる順番は、一番目上の人から順に右から左へと並べていきます。

友人同士で贈る場合などで上下関係がない時は、五十音順または年齢順で並べていくと良いでしょう。

記入した別紙は、ご祝儀袋の中に入っている「中袋」に入れておきます。

出産祝いを渡す時のマナー

赤ちゃんの誕生を祝う出産祝い。

せっかく贈るなら、しっかりマナーを押さえて祝福の気持ちを最大限に伝えたいですよね。

以下では、出産祝いを渡す時のマナーについてご紹介します。

出産祝いを渡す時期を外さない

出産祝いを渡す時期は、出産後1週間から1か月経つ前に渡すのが一般的です。

出産直後はお相手の体も回復していませんし、赤ちゃんのお世話でバタバタと忙しいことが多いです。

体も回復し、少し落ち着いた2~3週間後がベスト

もちろん、この期間を過ぎたからといって渡してはいけないわけではありません。

生後半年頃までは「出産祝い」として、それ以降は「御祝」として渡しましょう。

出産祝いの金額には相場がある

出産祝いには金額の相場があります。

◎兄弟姉妹・親戚:10,000~30,000円程度

◎親しい友人:8,000~15,000円程度

◎知人やママ友など:3,000~8,000円程度

◎職場の同僚:3,000~10,000円程度

◎職場の上司:5,000~20,000円程度

一般的には3,000~10,000円程度が相場です。連名で贈る場合は相場より少し多めにします。

あまり高価になりすぎると、逆にお返しに気を遣わせてしまうので注意しましょう。

また、出産祝いを現金で渡すのは親族が主とされています。友人や会社関係の場合は品物で贈る方がベターです。

出産祝いは相手の負担にならない形で渡す

出産祝いを品物で贈る場合、荷物になってしまうことを考え、自宅へ宅配便で送ることが一般的です。

もちろん、代表の方が相手のご自宅へ直接手渡ししにいくのも良いでしょう。

ただ、その際には事前に相手の都合を必ず確認することが大切です。

出産直後というのはデリケートな時期です。

いずれの場合でも、贈り物が相手の負担にならない方法を選ぶことを心がけましょう。

出産祝いは中袋の金額は漢数字で

出産祝いの中袋の表面には包んだ金額の頭に「金」をつけ、漢数字の旧字体で書くのがマナーです。

例えば包んだ金額が5,000円なら、「金伍阡円」という感じになります。

これは、あとから簡単に数字を書き換えられないようにするという目的があります。

裏面には郵便番号、住所、氏名を記入します。

横書きの場合はアラビア数字を使うこともありますが、ほとんどは縦書きになっています。

漢数字の旧字体の書き方は、以下の表を参考にしてみてください。

アラビア数字旧字体漢数字
3,000円三阡円(三阡圓)
5,000円伍阡円(五阡圓)
10,000円壱萬円(壱萬圓)
20,000円弐萬円(二萬圓)
30,000円参萬円(参萬圓)
50,000円伍萬円(伍萬圓)
70,000円七萬円(七萬圓)
80,000円八萬円(八萬圓)
100,000円拾萬円(拾萬圓)
出産祝いでは一般的に、40,000円・60,000円・90,000円を避けるようにします。

結婚祝いでは割りきれる数字をとして偶数を避ける必要がありますが、出産祝いではそこまで気にする必要はないでしょう。

出産祝いをお金で渡すときは新札で

出産祝いだけでなく、お祝いをお金で渡す際には必ず新札を用意しましょう。

これは、新札を用意する行為が「出産を心待ちにしていました」というお祝いの気持ちの表れだとされているからです。

新札は、銀行や郵便局で新札に交換してもらえます。金額が決まったら交換してもらいましょう。

出産祝いを品物で渡すときはのし紙を

出産祝いをお金でなく品物で贈る場合、のし紙をつける必要があります。

宅配便で送る場合は包装紙の内側にのし紙をかける「内のし」

持参する場合は包装紙の外側にのし紙をかける「外のし」がベストです。

のし紙の表書きや名前の書き方は、お金を贈る場合と同様です。

出産祝いを品物で贈る時の包装やのし紙については、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

出産祝いに喜ばれるギフトおすすめ5選

出産祝いを連名で贈る場合、金額も大きくなりがちです。

ここからは、出産祝いに連名で贈ると喜ばれるギフトのおすすめをご紹介します。

バウンサーなどの「大型ベビー用品」

ベビーチェアやバウンサーなどの大型ベビー用品は、連名で贈るギフトの候補にあがりやすいアイテムです。

ひとりでは贈りにくい高価な大型ベビー用品も、複数人で出資すれば手が届きやすいですよね。

ただしベビーベッドなどはすでに購入している場合や、大きすぎて収納に困る場合もあるため注意しましょう。

ベビーチェアなどは成長に合わせて使えるアイテムなので喜ばれることが多いです。

いずれの場合でも、大型ベビー用品を贈ることを検討している場合は、事前に相手に確認しておいた方が無難です。

積み木やブロックなど「子ども用のおもちゃ」

赤ちゃんが成長するにつれて遊び方も変わるため、子ども用のおもちゃも出産祝いに喜ばれるギフトです。

特に積み木やブロックのような、少し大きくなってからも遊べるようなおもちゃは重宝します。

兄弟姉妹がいる場合でも一緒に遊べるので、選ぶ際には相手の家族構成や好みも考えると良いでしょう。

「ベビー服」や「アウター」

赤ちゃんは1日に何度も着替えるため、ベビー服も出産祝いとして喜ばれます。

特に80センチ以上のサイズを選ぶと、赤ちゃんが少し成長してからも着られます。

ちょっと高級なアイテムやお出かけ用の洋服を数枚組み合わせて贈ると特別感がありますよ。

また、少し大きくなってからも使えるアウターもおすすめです。

空気清浄機などの「お役立ち家電」

赤ちゃんがいる家庭では、赤ちゃんの健康を考えて室内を清潔に保ちたいと考える方が多いと思います。

ほこりやダニを除去できる布団クリーナーや空気清浄機などといった便利な家電は、出産祝いとして喜ばれるギフトです。

こうした家電は価格が高額になりがちですが、連名で贈る場合なら選びやすいですね。

外さない「カタログギフト」

相手が好みがわからない場合や、何を選んだら良いか困った場合は「カタログギフト」がおすすめ。

カタログギフトにはさまざまなアイテムが掲載されており、特に双子や三つ子、兄弟姉妹がいる家庭にも喜ばれます。

また、ベビーグッズ専用のカタログギフトもありますので、一度チェックしてみるのもいいですよ。

まとめ

出産祝いを連名で贈る際のマナーや注意点について、詳しくお伝えしました。

大切な人の新しい命の誕生をお祝いする贈り物は、相手の負担にならず、喜ばれる形で贈りたいものですよね。

連名だからこそ選べるギフトの幅も広がります。

ぜひ今回の記事を参考にして、素敵なお祝いを贈ってくださいね。

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